2020年8月22日土曜日

120年にも渡り1度も戦闘に負けなかった最強の騎兵部隊フサリア

フサリア部隊が活躍したのは日本で言えば戦国時代後期~江戸時代前半辺り。遊牧系の投げ縄対策に馬の背に大きな羽根飾りを背負っていたので有翼重騎兵とも呼ばれる。フサリア部隊の特徴は、圧倒的少数で大軍を打ち負かし、自軍兵の損害が少ないことにある。

ポーランドの重装突撃騎兵隊フサリアは戦史上で最も精鋭であり効率的な軍であった。

10倍を超える兵力差を物ともしないフサリア部隊

1588年、時としてはスペイン無敵艦隊がイングランド海軍に破れた頃、ポーランドでは王位継承権を巡ってスウェーデン王子ジグムント3世ヴァーサを推す派閥とハプスブルク家マクシミリアン3世・フォン・エスターライヒが争っていた。シグムントが前王の妻からの指示も得て戴冠式を挙行するとマクシミリアンは武力に訴えることを選び、ポーランド継承戦争が勃発した。ビチナの戦いにおいてはヤンザイモンスキー率いるフサリア部隊がハンガリー騎兵を圧倒し、戦闘開始からすぐマクシミリアン軍が後退を始めることとなった。フサリア部隊は敵を蹂躙した。

1605年ポーランドとスウェーデンの間でリヴォニアをめぐり戦争が勃発。キルホルムの戦いでリトアニア大公国大元帥ヤン・カロル・ホトキェヴィチ率いるスウェーデン軍歩兵9000、騎兵2000に対しフサリア部隊は2600騎の少数で突撃を敢行。スウェーデン軍を20-30分で壊滅させた。フサリアの戦死者は約100。スウェーデンは6000~9000人と言われている。


1610年ポーランドの侵攻を受けたロシアはスウェーデンと同盟を結んで反撃に出た。スモレンスク近郊のクルシノ村付近でフサリア部隊との戦闘が発生。ロシア・スウェーデン軍約3万5千人に対してフサリアは5千騎で突撃を敢行し相手を壊滅させた。戦闘は長時間に及びロシア軍の戦死者は5000人を数えたが、ポーランド軍は400人(うちフサリア100騎)ほどであった。

1683年の第2次ウィーン包囲網ではフサリア部隊3000騎はオスマン軍15万の陣地の中央突破を敢行しこれを分断、そのままムスタファの本営までまっすぐ突撃し大混乱に陥れた。わずか1時間ほどの戦闘でオスマン軍は包囲陣を寸断され、散り散りに潰走。戦闘はオスマン軍の惨憺たる敗北に終わった。


1694年ホドウの戦いで400人の騎兵で4万人のタタール軍を粉砕した。

なぜここまで強かった?

当時のポーランドは軍用馬の技術で最先端をすすんでおり、トルコ軍から捕獲した高価なアラブ馬の繁殖に成功していた。アラブ馬は当時のヨーロッパの他の乗用馬に比して体格が大きめで高速でよく走る。徹底的に調教された馬は戦場で怯えることなく敵陣へと突撃した。

ユサール

フサリアは突撃型重装槍騎兵であり、敵のパイクよりもはるかに長大な「コピア」と呼ばれる槍がまず第一の武器であった。突撃し目標を貫通するとその運動エネルギーによりコピアは折れた。自陣内に従者たち(移動と輸送のため駄馬に乗っていたことが多い)が控え、替えのコピアを何本も持っていた。騎兵は一度突撃すると自陣へ戻り、従者から替えのコピアを受け取っては集団を編成して再度突撃し、これを繰り返して敵を粉砕した。

サブ武器も剣・斧と豊富にあり、戦況に応じて弓やマスケットも使用することができた。

味方の砲兵隊、弓兵隊、銃兵隊による援護射撃との巧みな組み合わせで行われた彼らの独特な突撃戦術は敵のパイク隊や銃兵隊に対しても非常に有効であった。

フサリアの装備や戦法は敵軍の銃撃や砲撃に対しても非常に有効で、フサリア突撃時の敵軍の銃砲による損害は常に僅少であった。彼らは大きく散開したところからゆっくりと走りだし、速度を高めながら徐々に味方との横の距離を縮め、敵陣に到達するときに最も高速かつ最も密集した形となった。

低密度で突撃すれば、騎兵槍1本につき敵のパイクは2本かそれ以上になる。しかし高密度で突撃すれば、この割合は1対1に近づく。しかもフサリアの騎兵槍(コピア)は5.5mにも及び西ヨーロッパのランスより軽かった。これにより騎兵部隊では不可能と言われていた槍兵突破を可能とした。



戦闘では無敵だったフサリアも経済的事情には勝てなかった。

17世紀後半になるとフサリアは衰退していく。その理由は銃砲の発達によるものではなく、17世紀を通じて共和国を襲った度重なる大戦争、気候変動による土地生産性の急激な低下、および一部シュラフタ富裕層(マグナート)の税金逃れ、彼らの増税反対運動による政府および各地中小シュラフタの経済的疲弊であり、国家や中小シュラフタたちが完全装備をした大部隊を常設維持すること自体が世紀末にかけて急速に困難になっていったことであった。

17世紀も終わりになると国内が政治的に大きく分裂し、国軍においては熟練した兵員数の減少および(馬も含めた)装備の劣化が激しく、フサリアはもはや実際の戦闘に使用できる軍団として成り立つ状態ではなくなっていった。これにより中世晩期から近代初期にかけて共和国の対外戦争を華やかに彩った最強騎兵団フサリアは、軽装備ながらも部隊の維持が安価で済み、戦術の工夫次第で高い戦力を発揮した槍騎兵のウーラン(ポーランド軽槍騎兵)にとってかわられた。


コピアの先端についていた白と紅の細いバナーは現ポーランド国旗の原型となっている。その羽飾りを象徴としたフサリアは、16世紀から17世紀にかけてヨーロッパ最強の騎兵隊として知られ、当時のポーランド王国の黄金時代を作り上げた。史上最強の重装突撃騎兵部隊フサリアはいまも戦史上のロマンとして熱く語り継がれている。

2020年8月21日金曜日

猫の糞から作る超高級コーヒー「コピ・ルアク」


ジャコウネコの糞から未消化の種を取り出し作ったのがインドネシア原産のコピ・ルアクというコーヒー

世界一高級なコーヒー豆と言われている。別名が「猫のうんちコーヒー」。味はまろやかでさっぱりしていて飲みやすいのだとか。


もともとインドネシアにはコーヒーはなかったのですが18世紀にオランダがイエメンから持ってきました。オランダ人はコーヒーの苗を植え現地の人たちを奴隷として強制労働させていました。おいしそうなコーヒーをみて自分たちも飲んでみたいと思ったのですが農園主が許てくれません。それでもどうにかして飲みたいなぁと思案し探し回ってみたところ、ジャコウネコの糞の中に未消化のコーヒー豆がたくさん残っていることを発見しました。その豆を試しに洗って飲んでみるとこれがまた良いアロマで格別な味であったのだとか。このようにして超高級ブランドコーヒー「コピ・ルアク」が誕生しました。



ユーチューバーの方がこのコーヒーを飲んでみた動画

【コピルアク】超高級!ジャコウネコの糞のコーヒーを焙煎して飲んでみた!/ Kopi Luwak

有名なホテルだと1杯5500円もするのだそうです。映画「最高の人生の見つけ方」でも登場した幻のコーヒー「コピ・ルアク」。希少性が価値を生み出す典型的な商品といえるでしょう。


2020年8月11日火曜日

MMT理論は需要が供給を超える時崩壊する

MMT(現代貨幣理論)に関するサイトなどを最近一通り眺めてあることに気が付いた。それはモノの供給が常に一定以上満たされていることを前提にして話をしているということだ。

国民が十分豊かになりモノを沢山買う必要がなくなった日本のような国にはMMTは画期的で最適の経済政策かもしれない。かつておきた世界恐慌などにもMMTは有効だったかもしれない。MMTはモノはあるのにお金がなくておきる不況にとてつもなく効果を発揮する。

お金というものは使わなければどんどん流れが滞りさらに使われなくなっていく。これがデフレスパイラルで日本が長く陥った状況だ。そこで滞っているところにお金を供給してやればお金の滞りが解消され景気がよくなるとされている。国民が貯蓄を増やすため支出を削っていても無理やり景気を循環させることができる。。

おそらく理論の前提を崩しさえしなければどれだけ財政赤字を増やそうが国家は破綻しないのかもしれない。しかし理論の前提があまりにも簡単に崩せてしまう。

MMTの大前提はこれ。

貨幣の信用・価値は、国家徴税権によって保証されている。

確かに現在国民は国家を信用しお金を使っている。お金の価値の源泉は国家への信用信頼だ。しかしそれは生きるのに必要なモノを国家が発行したお金で買えているからだ。

なおMMTがハイパーインフレを引き起こすという議論を見かけるが仮にハイパーインフレになったとしても国家自体の信用が破綻していなければ何ら問題はない。物価が1億倍になっても1億倍分の紙幣を国民に供給し今の1億倍にあたる何か新しい単位のお金を作ればよいだけだ。しかしそれは必要なモノがそのお金で買えることが前提の話だ。


モノを買いたくても今の価格では買えなくなるくらい供給が減る状況は沢山考えられる。

・少子高齢化による働き手の減少とリタイア人口の増加
・国民の貯蓄が増えることによる働く意欲の減退
・気候変動による作物などの不作
・企業の倒産によるサービス・生産の消滅
・戦争や国家間不和による貿易の停滞
・大規模地震・災害・疫病の流行

例えば今起こっている航空運賃の値上がりは新型コロナウイルスの感染拡大による旅客数の減少で、航空各社が大幅な減便に踏み切り、航空券が品薄になったために起こっている。

食料がもし買えないとなればどんなことをしてでもそれを手に入れようとする。でなければ餓死をする。そのときはどんなに値段が高くなっても買う。そのような時に増税でもされようものなら暴動である。

MMTではインフレに対処するためには増税や金利引き上げにより貨幣流通量を減らして対処することになっている。しかしそのようなことをしても食料の供給量改善につながらないからインフレも解消しない。問題に対処するには食料の供給を増やさなければならないが、しかしそれは構造的な問題から起こり即座に解消できないかもしれない。MMTではそのような状況になったときインフレに対して打つ手がなくなる。貨幣の価値がモノに紐付けられていないことが仇となる。


お金はあるのにモノが買えないという状況になったときMMTの一番重要な前提が崩れる。信用の源泉が国家からモノに移り始めるからだ。

その時理論の一番大事なベースである所が崩壊し理論自体も破綻することになる。