大分には久住山という大きな山がありまして、なんでも昔は朽網(くたみ)山と呼ばれていたそうです。大昔の天皇さまがこの山に来られた時に蛇がでましてそこの水が臭かったことから「くたみ」そして「くじゅう」になったとか、なんだそれ!
8世紀後半に編集された万葉集にはこのような歌が載っています。
朽網山 夕居る雲の 薄れゆかば 我れは恋ひなむ 君が目を欲り
(久住山にかかる薄れゆく夕暮れの雲をみると私はあなたが恋しくなります。あなたの目をみつめたい。)
久住の地には直入から太宰府に向かう主要な交通路が当時あったそうで任期を終えて帰っていく役人をさみしくおもった現地の娘の歌だとか、太宰府にゆこうとする遣唐使を見送った村娘の歌だとか詳しいところはわかりませんがなんともせつない歌です。詠み人しらずでした。
「夕居る雲の 薄れゆかば」夕暮れの美しい雲が目に浮かぶし音の響きがいい。昔の日本語はほんと美しい。
「我れは恋ひなむ 君が目を欲り」西野カナかよっってくらい情熱的な歌だった。当時の精神的豊かさを感じずにはいられません。当時はまだひらがながなくて貴族も漢字をあてて字を書いていたくらいだから男女の思いを伝えるのにも音の響きが重要視されていたんでしょうか?万葉集興味深い!庶民もこのころから歌を嗜んでいたんですね・・・。
久住山のことがもっと好きになれそうです。
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