2020年8月2日日曜日

ストレスフルな状況下にあって暴力沙汰を避ける第三の道とは?


「ええじゃないか」という日本の狂乱的民衆運動が昔にありました。

ええじゃないかは、日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)8月から12月にかけて、近畿、四国、東海地方などで発生した騒動。「天から御札(神符)が降ってくる、これは慶事の前触れだ。」という話が広まるとともに、民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼しながら集団で町々を巡って熱狂的に踊った。

暴力的状況下においてジョルジュ・ソレル「1847-1922」は「シラ」と「カリブデス」という二つの大衆の状態を提示しましたが「ええじゃないか」の熱狂狂乱状態は、シラともカリブデスともちがう第三の道です。そこには笑いがあるからです。

「カリブデス」・・・大衆が熱狂に入って裁きを要求し、未来の理想のために現在を完全否定する状態
「シラ」・・・無気力になって統治者の言うがままになる状態
「ええじゃないか」・・・歌って騒いで踊って笑えばええじゃないか!

外国であれば商店街のガラスを割ったり火炎瓶を投げたりしそうなストレスフルな状況下に於いて、幕末の日本民衆は騒ぎ踊り謡って笑うことを抗議の意としたのです。このルーツは日本神話にあるアマテラス隠れている天の石屋戸の前で行われたアメノウズメと八百万の神たちに学ぶことができます。

「天宇受売命(アメノウズメノミコト)は天香山(アメノカグヤマ)の日陰「蔓草」を髪飾りにし、天香山の真折葛(まさきのかずら)をたすきにかけて、天香山の小竹葉(ささば)を数本束ね結んで手に持ち、さらに鈴をつけた矛をもう一方の手に持った。そして天の石屋戸の前の所々に火を焚いて、からの桶を伏せ、その上に乗って踏みとどろかし、神懸かりとなって「イツムユナナ、ヤココノタリ、モモチヨロヅ」と、そこに集まっていた八百万の神たちと共に歌い舞い、胸乳を掻き出し、裳の紐を陰部まで押し下げた。すると高天原がとどろくばかりに、八百万の神たちがどっと笑った。」

「アマテラスが石屋戸から出ていらっしゃった瞬間、天の原も、天の下にある地上も、自然と光に照らされて明るくなった。八百万の神たちが互いの顔を見ると、それぞれの顔はみな明るい中ではっきりと見えた。神たちは歓喜のあまりにみな手を伸ばして歌い舞い、共に声を上げてお謡いになった。「アハレ、アナオモシロ、アナタノシ、アナサヤケ、オケ」」

なんともすごい状況です。世界が真っ暗になった絶望的な状況なのに謡って騒いで踊って笑うのですから。

コロナ禍・景気後退・失業・揚げ足取りのような誹謗中傷などで暗くなりがちな今日の社会だからこそ、たとえ真っ暗な中でも笑いのあるアメノウズメと八百万の神たちを宴を心に思い浮かべて「ええじゃないか」と生きていきたいものです。

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